日中支援型グループホームの特徴と魅力とは?手厚い支援で地域社会での活躍と充実した生活をサポート
日中支援型グループホームは24時間体制の手厚い支援が魅力
日中支援型グループホームとは、障がいのある人たちが共同生活を送る共同生活援助の一つです。まずは施設の特徴や他のグループホームとの違い、実際の利用者はどのような目的で利用しているのかを確認しましょう。
障がい者の重度化や高齢化に対応する新しいサービス
障がい者グループホーム(共同生活援助)には、介護サービス包括型、日中サービス支援型、外部サービス利用型、サテライト型の4種類があります。日中支援型グループホームは日中サービス支援型に当てはまり、2018年に障がい者の重度化・高齢化に対応するため創設された、新しいサービスになります。他のグループホームと同じく、相談援助や家事などの日常生活上の援助、食事・入浴・排泄の介護などを利用者のニーズに合わせて行うことに加え、日中支援型グループホームにのみ、次のような特徴が存在します。
安心の24時間サポート体制
24時間のサポート体制は、日中支援型グループホームの大きな特徴といえます。他のグループホームでは日中に就労などで活動している利用者が多いため、主に帰宅後から夜の支援が中心となりますが、日中支援型グループホームには日中も支援が必要な方も入居します。そのため、昼夜を通じて職員が常駐し、24時間サポートを受けることができます。
より手厚い支援を目指した人員配置
24時間サポート体制のため、他のグループホームでは必須とされていない夜間支援従事者が1人以上配置されています。また世話人の必要人員数も、他のグループホームが6:1以上(6人に対して1人以上の世話人)であるのに対し、日中支援型グループホームは5:1以上(5人に対して1人以上の世話人)となっており、より一人ひとりのニーズに合った支援が期待できます。
短期入所施設併設で緊急時に対応
日中支援型グループホームには、短期入所施設の併設が義務づけられています。地域で生活する障がいのある人の緊急一時的な宿泊先として位置づけられており、家族が怪我や病気でお世話ができないときや、結婚式やお葬式で外泊しなければいけないとき、家族に休息が必要なときなどに利用することができます。
区分1から重度、高齢者まで安心して利用できる
利用対象者は他のグループホームと同じく、18歳以上の障がい者、15歳以上で児童相談所から必要性を認められた障害児となります。身体に障がいのある人に限っては、65歳未満、または65歳の誕生日前日までに障害福祉サービス等を利用したことがある方に限り、利用可能となります。
共同生活援助の一つであることから障害支援区分に関わらず利用することができますが、日中や夜間にも支援を受けられる施設の特徴から、日中支援型グループホームの利用者は区分4以上の方が多く、他のグループホームに比べ身体に障がいのある人の利用が多い傾向にあります。日中活動が困難な人や家族にとって、日中支援型グループホームは利用しやすい施設として受け入れられているようです。
なお、グループホームによっては対象利用者の障害支援区分を限定している場合もあります。気になるグループホームがあったら、事前に確認しておきましょう。
地域や人とつながれる、日中支援型グループホームのメリット
24時間のサポート体制や充実した人員配置があることで、日中支援型グループホームには人や地域との交流を生む大きなメリットが存在します。それぞれ見ていきましょう。
手厚い支援があるから、地域社会とつながれる
重度の障がいのある方や高齢の障がい者が障害者支援施設や精神科病院などを 退院し地域社会へ移るとき、家族との生活を楽しみにしていても、本人も家族も少なからず不安を覚えるものです。このとき、地域生活に慣れるための訓練として、高齢の方の場合は地域社会へ移り継続するための生活の場として、頼れるのが日中支援型グループホームです。
日中支援型グループホームという受け皿があれば、利用者本人や家族の不安が軽減され、地域社会への復帰も目指しやすくなります。自立へのモチベーションへとつながり、地域生活の継続も実現しやすいのは、利用者と家族、地域にとっても大きなメリットといえます。
日中活動も可能になり、人や地域との交流も充実
就労など日中活動に就くことが困難な方にとって、日中も支援を受けることができれば、日中の活動が可能になります。支援スタッフと一緒に散歩や買い物に出かければ、地域住民との交流も自然に生まれます。
また、日中支援型グループホームには管理者のほか、世話人または生活支援員のどちらかが常勤で配置されており、馴染みの深いスタッフと過ごすことができます。さらに他のグループホームと比べ日中の施設内活動もあるため、スタッフや他の利用者との交流も多くなり、お互いの信頼関係も自然と築かれていきます。
ホームで過ごすことへの安心感が得られることも、大切なメリットの一つです。
日中支援型グループホームの地域活動、ホーム内活動、季節行事も充実
実際に日中支援型グループホームでは、どのようなスケジュールで1日の活動を行っているのでしょうか。例を挙げてご紹介します。
自分のペースで自由に過ごせる
日中支援型グループホームは共同生活の場のため、食事時間や入浴ができる時間など、大まかなスケジュールが決まっています。1日の流れの例をご紹介します。
日中支援型グループホームの活動例
活動内容 日中施設に滞在する利用者 |
時間 | 活動内容 通所利用などの利用者 |
---|---|---|
起床・着替え |
6:00 |
起床・着替え |
朝食 |
7:00~ |
朝食 |
|
8:00~ |
日中活動場所へ順次出発 |
自由時間・レクリエーション等 |
8:00~ |
|
昼食 |
12:00~ |
|
自由時間・レクリエーション等 |
13:00~ |
|
入浴(順番) |
14:00~ |
|
|
16:00~ |
帰宅・休憩時間 |
夕飯
|
18:00~ |
夕飯 |
自由時間・入浴(順番)
|
19:00~ |
自由時間・入浴(順番) |
共有スペース利用終了 就寝
|
21:00 |
共有スペース利用終了 |
日中支援型グループホームの1日の流れ
日中に通所施設を利用している場合は、朝食後に出発し、夕方帰宅します。日中グループホームに滞在する利用者は朝食後は自由時間となりますが、スタッフのサポートを受けながら洗濯や掃除などの家事をしたり、お天気が良ければスタッフと一緒に散歩や買い物に出かけることもできます。昼食後も自由時間でテレビや映画を観たり読書をするなど好きに過ごせるほか、多くのグループホームが定期的に自由参加のレクリエーションを行っています。その日の自分の体調や気分に合わせて、自分のペースで過ごせることも、日中支援型グループホームの特徴です。
また、土曜日・日曜日・祝日は通所している利用者も休日となるため、スタッフや他利用者とレクリエーションを楽しんだり、家族と一緒に過ごす、ガイドヘルパーと一緒に外出するなど、それぞれが自分の時間を楽しんで過ごします。
日中活動は施設内から地域活動までさまざま
日中もグループホームで過ごす方にとって、日中活動ができることは日中支援型グループホームを使用する大きなメリットの一つです。日中は余暇活動として、スタッフや他利用者と一緒に様々な活動に参加することができます。
<日中活動の代表例>
- 地域の清掃活動
- 園芸活動や家庭菜園
- 散歩や買い物
- 絵画や塗り絵、工作
- ボール遊びやダンス
- カラオケやボーリング(外出)
公園の清掃などのボランティア活動に参加することは、利用者が地域社会の一員であることを実感し、利用者と地域の人々との交流を生むきっかけにもなります。
また、日中活動以外にも誕生日会やクリスマス会、七夕の飾りつけ、プール遊び、花火遊びなど季節の行事を楽しんだり、日帰り旅行で動物園や水族館に出かけるなど、利用者の障がいの程度に合わせてサポートしながら参加できる活動を実施しています。
利用者に合った日中支援型グループホームの選び方
実際に家族が日中支援型グループホームに入ることを検討しているとき、利用者本人に合ったグループホームはどのように選んだらよいのでしょうか。選ぶときに注目したいポイントについて解説します。
対象区分とサポート体制の充実度は必見
日中支援型グループホームは、重度障がいや高齢の方の利用割合が高いのが特徴です。
グループホーム選びでは、利用できる対象者の区分やサービス内容、サポート体制などの事前確認が重要になります。
対象支援区分を指定しているケースもある
共同生活援助は障害区分関係なく、障がいのある方ならどなたでも利用可能です。ただ、日中支援型グループホームはその特性上、重度障がいや高齢の方の利用割合も高く、グループホームによっては区分指定をしている場合もあります。利用希望者本人が区分に当てはまるかをまず確認しましょう。
サービス内容やサポート体制は重要ポイント
次に、希望するサービス内容に合うサポート体制が整っているかを確認します。日中支援型グループホームでは、管理人(常勤)、サービス管理責任者、世話人(5:1以上)、生活支援員(世話人か生活支援員のどちらか一人は常勤)、夜間支援従事者が配置されています。グループホームの人数に対する人員数やスタッフがどのような資格を保有しているのか、医療施設との連携体制などもチェックしておきましょう。
また、日中の支援内容もサポートの一部です。自立を促すに適したサポートを行っているか、日中の活動内容なども確認し、可能であればレクリエーションの様子や利用者の参加率なども見学できると安心です。
住環境や設備、かかる費用もしっかり確認
日中支援型グループホームは、共同生活の場となるため、個人のプライバシーが尊重されているか、快適に過ごせる設備が整っているかなど、居住空間の確認が重要です。
また、費用面では、家賃、光熱費、日用品費などの内訳や、補助金制度の有無などを事前に確認しておきましょう。
居住空間の快適さは見学時に必ずチェック
共同生活の場だからこそ、個人のプライバシーがしっかり尊重されているかは、とても大切なポイントです。また、日中支援型グループホームには身体に障がいのある利用者も多いため、個々の障がいに合った設備が整っているか、移動しやすく快適に過ごせる環境であるかも重要になってきます。個室だけでなく、お風呂やトイレ、玄関など、共有スペースの設備もしっかり確認しましょう。
費用面はグレーな部分がないように確認を
快適に過ごせるよう設計されていたり、交通の便が良いグループホームは、その分、家賃が高くなる可能性もあります。市町村税非課税世帯か生活保護受給世帯には「特定障害者特別給付費」、いわゆる家賃補助(基本月額1万円)が適応され家賃から1万円を引いた金額が支払額となります。家賃の他にも光熱費や日用品は実費負担となるので、グループホームの費用請求の仕組みについても確認できると、費用的な不安を解消できるでしょう。
地域との関わり度合いにも注目
障がい者グループホームで過ごす人々にとって、地域の人々との関わりは、生活するうえで欠かせない活動の一つです。周囲に理解されることで地域に受け入れられ、地域活動への参加を通じて、地域の一員としての役割を担い、その役割を実感したり、役割を通して新たな交友関係を築くことは、日々の生活へのモチベーションや自立心へとつながっていきます。
地域のボランティア活動やイベントへの参加、地域住民の人々との交流が定期的に実施されているか、活動の様子などもスタッフに確認できると安心です。
障がいへの理解を深め、自立を支える世の中へ
現在の日本には、身体・知的・精神に障がいのある人が1160万人います。障がい者数は年々増加傾向にあり、障がい者福祉に関する法律の改定や支援拡充が図られ続けています。
自立支援の現状と課題とは?
障がい者福祉の目的は「障がい者の自立支援」であり、障がい者への偏見をなくし一人ひとりが尊重されること、社会参加として雇用を促進し、地域の中で自立した生活を送ることなどを目指しています。しかし、実際には障がいの程度によっては正規雇用は難しく、そこには障がいに対する無理解や配慮不足があり、自立の機会を阻んでいるといえるでしょう。障がいのある人の活動場所として存在する就労継続支援B型に関していえば、平均工賃月額17,000円程度と、経済的自立を目指すには遠い金額となっています。
自立を支援する障がい者グループホームの数も年々増加していますが、ニーズに対してはまだまだ不足状態にあり、障がいのある人の地域移行や地域定着が進まない現状も存在します。
法改正、啓発活動、そして地域社会の取り組み
こうした現状の課題に対し、政府や地域社会では様々な取り組みを実行しています。2023年に見直された障がい者の法定雇用率引き上げは、記憶に新しい改定の一つです。その他にも、12月の「障害者週間」による啓蒙活動や、障がいのある子どもへの教育支援により障がいのある児童が通常学級に通えるケースも増えています。バリアフリー法によるハード面だけでなくソフト面に対するバリアフリーの推進も進められています。自治体独自の活動として、日常生活自立支援や法定後見を事業として立ち上げサポートしていたり、障がいのある人と地域住民のふれあいの場を設けている自治体もあります。改定され続ける福祉制度が、今後も増え続ける多様なニーズに答えられることに期待します。
充実のサポート体制で、
安心の暮らしを!
ソーシャルインクルーホーム
ソーシャルインクルーホームは、「個別支援計画」に基づき、一人ひとりの個性や目標に合わせた支援を提供しています。
食事、入浴、排泄などの介助はもちろん、服薬管理や金銭管理など、日常生活の様々な場面をサポートしているのです。
余暇活動の支援も行い、地域との交流を通して社会参加を促進。24時間体制のサポートと充実したサービスで、安心・安全な暮らしを実現します。
自分らしく、生き生きと過ごせる環境をスタッフ一丸となって作っていきたい。
ソーシャルインクルーホームで新しい生活を始めてみませんか?ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちらまで0120-139-196
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