トップコラム 障がい者支援施設(入所施設)の種類とサービス内容。共同生活援助(障がい者グループホーム)との違いは?

障がい者支援施設(入所施設)の種類とサービス内容。共同生活援助(障がい者グループホーム)との違いは?

更新日 2025年04月07日
障がい者支援施設の種類は、目的や機能によって分けられていますが、いずれも生活を総合的に支援する施設です。支援施設では、生活介護、自立訓練の機能訓練や生活訓練が受けられます。支援を受けると、地域生活へスムーズに参加できるようになります。利用を検討する際には、施設やスタッフの雰囲気を確認した上で、利用者に合った施設を選びましょう。支援施設へは、自宅からの通所でも利用可能です。
障がい者支援施設の特徴と種類

障がい者支援施設の特徴と種類

障がい者支援施設とは、障がいを持つ方の生活を総合的に支援する入所施設です。すべての人が利用できるわけではなく、利用対象者には制限が設けられています。施設の種類も目的や機能によって、4つに大別できます。
障がい者支援施設の特徴や利用対象者、種類について理解を深めていきましょう。

障がい者支援施設とは?

障がい者支援施設とは、障がいのある方の日常生活や社会参加を支援している施設です。
障がいを持つ方に、生活介護や自立訓練などの日中活動の場と、入浴や排せつなどの居住支援の場を提供して、生活を支援しています。
介護や生活の相談などの他に、就労移行支援および就労継続支援B型などの就労支援サービスも提供しています。

利用対象者

障がい者支援施設の利用者には制限が設けられています。対象となるのは、18歳以上の生活介護利用者の場合、区分4以上の方(50歳以上は、区分3以上)です。
前述した対象者以外にも、自立訓練、就労移行支援または就労継続支援B型の利用者で、入所が必要な方や効果的な方、通所できないと認められた人も利用できます。
また、これらの条件に当てはまらなくても、すでに障がい者支援施設に入居している方も引き続き利用できます。

<障がい者支援施設の利用対象者>
  • 生活介護利用者のうち、区分4以上の者(50歳以上は、区分3以上)
  • 自立訓練、就労移行支援または就労継続支援B型の利用者のうち、入所が必要な方、効果的な方、通所できないと認められた方
  • 上記以外で、すでに障がい者支援施設に入居している方

障がい者支援施設の種類

障がい者支援施設は、目的や機能によって、障害者更生施設・障害者授産施設・生活施設・地域利用施設などに分けられます。それぞれどのような機能を持つかチェックしていきましょう。

障害者更生施設

介護の必要な方の生活扶助を支援しますが、障がいに合わせた、リハビリテーションや治療なども受けられます。

障害者授産施設

就業できない方を対象に、仕事への意欲や技術を身につける支援をします。自宅から通う「通所施設」の利用も可能です。施設内での軽作業や製品製造、農作業などの実践的な訓練により、働く喜びや達成感を経験できる場です。
家族が病気や怪我などで介護できない場合に、ショートステイ(短期入所)で一時的な利用もできます。

生活施設

常時介護の必要な身体に障がいを持つ方に、24時間体制での介護サービスを中心に、治療やリハビリテーションなどが受けられます。また、自宅での生活が難しい方を対象に、自立した生活を目指す支援もあります。

地域利用施設

障がいを持つ方が通う通所施設で、デイケアやレクリエーションなどをしながら、社会との交流も促します。
地域の行事への参加や、地域住民との交流イベントの機会も積極的に設けているのが、特徴です。障がいを持つ方の住む地域にある場合が多く、在宅生活の継続を支援します。

障害者グループホーム(共同生活援助)と入所施設(障がい者支援施設)の違い

障害のある方が生活する場として、障害者グループホーム(共同生活援助)と入所施設(障がい者支援施設)があります。これらの施設は、どちらも障害のある方の生活を支援する施設ですが、その目的やサービス内容には大きな違いがあります。
障害者グループホームは、障害のある方が地域の中で共同生活を送る住居です。比較的軽度の障害がある方が、地域の中で自立した生活を送るための支援を目的としています。
障害者グループホームと入所施設の違いについて、選び方のポイントと合わせて解説していきましょう。

障害者グループホーム
(共同生活援助)
障害者グループホームは、障害のある方が地域の中で共同生活を送る住居です。軽度から重度まで、さまざまな障害がある方が、地域の中で自立した生活を送るための支援を目的としています。
入所施設
(障がい者支援施設)
入所施設(障がい者支援施設)は、障害のある方が入所して生活を送る施設です。重度の障害がある方や、常に介護が必要な方が、24時間体制で支援を受けることを目的としています。

障害者グループホームと入所施設の違い

障がい者グループホームは、比較的軽度から重度、さまざまな障がいを持つ方が地域の中で自立した生活を目指すための住居です。ここでは、日常生活のサポートを受けながら、地域社会との交流を深め、自分らしい生活を送ることを目的としています。一方、入所施設は、重度の障がいや常に介護を必要とする方が、24時間体制で専門的な支援を受けるための施設です。医療的ケアや生活全般にわたる手厚いサポートが提供されます。

障がい者グループホーム
(共同生活援助)
入所施設
(障がい者支援施設)
対象

軽度から重度のさまざまな障がいをもつ方

重度の障がい者、常に介護が必要な方

目的

地域での自立生活

24時間体制の専門的な支援

サービス

日常生活の支援

生活全般の支援、医療的ケア

対象者の例

知的障がい、精神障がい、身体障がい

重度の身体障がい、知的障がい

障害者グループホームと入所施設の選び方

施設を選ぶ際には、障がいの程度、必要な支援の内容、そして何よりも本人の希望を考慮することが重要です。グループホームは、ある程度の自立が可能で、地域社会とのつながりを大切にしたいと考える方に適しています。
入所施設は、常に専門的なケアが必要で、安心できる環境で生活したいと考える方に適しています。
どちらの施設が最適かは、一人ひとりの状況によって異なります。施設の見学や専門家への相談を通じて、本人にとって最適な選択をすることが、充実した生活を送るための第一歩となるでしょう。

障がい者支援施設の主なサービス内容

障がい者支援施設の主なサービス内容

障がい者支援施設では、利用者の状況に応じて、3つの主要サービスを提供しています。3つとは、生活介護・機能訓練・生活訓練です。支援を受けると、地域生活へスムーズに参加できるようになります。

生活介護

常時、介護が必要な方に、主として昼間における入浴・排せつ・食事などの介護、調理・洗濯・掃除などの家事、相談、レクリエーション、リハビリテーションなどの支援をします。

機能訓練

身体機能の維持や向上を目的に、一定期間にわたり支援します。対象者は、入所施設・病院を退所・退院した方、特別支援学校を卒業した方などです。
また、身体的機能の回復だけでなく、コミュニケーションなどの訓練もするので、地域生活へのスムーズな参加が可能です。

生活訓練

入浴・排せつ・食事などについての習慣を身につけたり、相談や助言などの支援を受けたりできます。自宅からの通所でも利用できます。

障がい者支援施設は自宅からの通所でも利用可能

障がい者支援施設が実施している「日中活動サービス」は、自宅から通所でも利用できます。また、支援施設に入所中の利用者は、入所施設以外が実施している「他の日中活動サービス」へ通所で利用するのも可能です。
日中活動サービスには、療養介護と生活介護があります。療養介護は医療機関で機能訓練や療養上の管理を受け、生活介護では食事や入浴などの介護のほかに、創作的活動や生産活動の場が与えられます。

障がい者支援施設の過ごし方と一日の流れ

障がい者支援施設の利用者は、18歳以上から高齢者までの幅広い年齢層です。障害の程度や種類も異なり、必要なサービスも違うので、一日の流れは人によってさまざまです。自立した生活を目的とする支援施設のため、規則正しい生活スケジュールになっています。一日の流れを知ると、生活をイメージしやすいでしょう。

【障がい者支援施設の一日の流れ】
時刻 内容
6:30頃

起床・着替え・洗顔などの身支度

7:30頃

朝食

8:00頃

食事後の歯磨き(口腔ケア)

8:30頃

ラジオ体操による運動訓練

9:00頃

夜間サービス利用者のお迎え

9:30頃

健康管理、入浴(必要に応じて介助)、リハビリテーション

11:00頃

健康管理、回診

12:00頃

昼食

13:30頃

入浴(午前できなかった方)、クラブ活動などのレクリエーション

15:00頃

おやつ

16:00頃

夜間のみの利用者の迎え入れ

17:00頃

自由時間(おしゃべりやゲームなど)

18:00頃

夕食

19:00頃

パジャマへの更衣、就寝介助

 

以後は、職員による定期巡回と排せつ・就寝介助(寝る体勢を変えるなど)が行われます。

障がい者支援施設の費用と負担について

障がい者支援施設の費用と負担について

費用は、所得による障害福祉サービス利用料の自己負担と、食費など実費負担から成っており、どちらにも負担上限額があります。
長期的な生活を考える場合、費用は大切な要素です。

利用料金

障害福祉サービス利用料金の自己負担は、所得に応じて4つに分けられています。利用したサービス量にかかわらず、限度額以上は発生しません。

<所得による負担上限額>
世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護

生活保護受給世帯

0円

低所得

市町村民税非課税世帯

0円

一般1

市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)

9,300円

一般2

上記以外

37,200円

食費など実費負担

20歳以上の利用者の場合、実費負担についても減免措置があります。実費負担は収入額から個人ごとに設定されますが、低所得の方には、少なくとも手元に25,000円残るように補足給付が支払われます。
就労などによる収入は、24,000円までは収入として認定しません。また、24,000円を超える額も超過額の30%は収入としては扱わない決まりです。

<その他の生活費の額(手元に残る金額)>
  • 1. 2 および3以外の方:25,000円
  • 2. 障害基礎年金1級受給の方・60歳~64歳の方・65歳以上で施設入所支援に合わせ生活介護を利用する方:28,000円
  • 3. 65歳以上(施設入所支援に合わせ生活介護を利用する方を除く): 30,000円

障がい者支援施設の入所までの流れ

入所したい場合は、他の障がい福祉サービスと同じように、自治体障がい福祉担当に相談・利用申請します。障がい支援区分が認定され、支給が決まると、最初からケアマネジメントが入るのが特徴です。利用者の支援の必要性とサービスを総合的に考えます。
サービス担当者会議では、利用計画の作成案を再考。最終的なサービス内容を決定します。
障がい者支援施設の事業者と契約すると入所が決定しますが、施設に空きがないときは待機しなければなりません。

<申請から利用までの流れ>
  • 1. 相談
  • 2. 利用申請
  • 3. 障がい支援区分認定調査:認定調査員の聞き取り調査
  • 4. サービスの利用計画案の作成(ケアマネジメント実施)
  • 5. 自治体の支給決定:サービスや支給量などが決定
  • 6. 受給者証の交付
  • 7. サービス担当者会議
  • 8. 実際に利用するサービス計画の作成
  • 9. サービスの利用開始

障がい者支援施設の選び方!ご家族が知っておきたいポイント

障がい者支援施設は、利用者に合った施設を選ぶのが基本です。施設およびスタッフの雰囲気を肌で知るために、必ず施設見学をしましょう。ポイントを知っておくと、注意深く見学できるでしょう。

注意すべきポイント

施設によって対象者が異なるので、まずは利用者に合った施設を選びましょう。
ご自宅から通える範囲か、地域に根ざした生活を送れるか、どのような支援があるのかに注目します。その他にも、費用やスタッフの経験、資格も考慮し、実際に利用者の声も聞けるとよいでしょう。

<注意すべきポイント>
  • 地域:ご自宅から通える範囲か
  • サービス内容
  • 費用:利用料金、その他費用
  • スタッフ:経験や所持資格
  • 利用者の声

必ず見学して確認を

施設およびスタッフの雰囲気は、選ぶ際の大きなポイントです。必ず施設見学をして、雰囲気やサービス内容を確認しましょう。
スタッフの雰囲気は、職場環境を反映しやすいようです。人員不足だと常に忙しく、少し暗めの傾向があるかもしれません。お互いを尊敬しあうスタッフの会話の自然さ、掲示物などからうかがえる施設内の温かみや清潔さは重要なチェックポイントです。
選択に迷う場合には、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどへ相談するのも一つの方法です。

必ず見学して確認を

「ここでくらしたい」
を創る
24時間スタッフ配置の
障がい者グループホーム

ソーシャルインクルーは、全国で障がい者向けグループホームを展開しています。
「ここで暮らしたい」と思えるような、明るく楽しく優しいホーム作りを目指し、24時間体制でスタッフが常駐。日中サービス支援型のグループホームなので、日中の活動も安心です。

ソーシャルインクルーの特徴は、一人ひとりを尊重したケアを提供している点。それぞれの個性やニーズに合わせた支援を行い、自立した生活をサポートしているのです。
「住まいで困っている障がい者がゼロの社会を創る」という理念のもと、ソーシャルインクルーは、質の高いサービスを提供することに尽力しています。

グループホームへの入居を検討されている方、またはご家族様は、お気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが、丁寧にご相談に対応いたします。

お問い合わせはこちらまで0120-139-196

ウェブサイトhttps://www.socialinclu.co.jp/

ソーシャルインクルーは、あなたの「ここで暮らしたい」という願いを叶えるお手伝いをします。

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