障がい者グループホームの4つの種類…何が違うの?暮らし方や過ごし方の可能性と選択肢を知りたい方へ
状況にあわせ、希望に合った生活が送れるグループホームを見つけるために、それぞれのタイプの特長とサービス内容について、理解を深めておきましょう。
障がい者グループホームにはどんな種類があるの?どの種類が最適?
障がい者グループホームは、正式名称を「共同生活援助」といいます。「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」に基づく福祉サービスの一つです。
障がいを理由に分けられることなく、ひとりの人間として人格と個性を尊重し合いながら、地域で暮らすのは当然の権利です。必要な支援を受けながら、数人の仲間と暮らす「住まい」であり、「入所施設」ではありません。
4種類の障がい者グループホームはサービス内容に違いがあるので、利用者に合ったタイプを選ぶために、それぞれの特徴やサービス内容を把握しておく必要があるのです。
障がい者グループホームの種類
障がい者グループホームでは、おもに夜間における食事や入浴などの介護や相談などの日常生活をサポートします。身体に障がいのある方のみ、「65歳未満、または65歳に達する日の前日までに障がい福祉サービスを利用した経験がある」とする制限はありますが、基本的にどのグループホームも介護度や年齢に制限はありません。
しかし、類型によってサービス内容が違うので、入居を検討する場合、障がいの種類や程度・年齢・生活状況に合ったタイプを選ぶ必要があるでしょう。
障がい者グループホーム4種類のサービス内容の主な特徴を、まずは比較してみましよう。
<類型別・サービス内容の比較>
介護サービス包括型 | 日中支援型 | 外部サービス利用型 | サテライト型グループホーム | |
---|---|---|---|---|
おもな利用者 |
すべての障がいを持つ方 |
重度の障がいを持つ方 |
支援区分なしか、1~2の軽度な障がいを持つ方 |
将来的に一人暮らしを目指す方 |
定員 |
原則10名以下 |
原則10名以下 |
原則10名以下 |
1人 |
夜間支援 |
なし(必要に応じて) |
1名以上の夜勤職員の配置 |
なし(場合によってはある) |
なし |
日中支援 |
なし(必要に応じて) |
1名以上の夜勤職員の配置 |
なし(場合によってはある) |
なし |
個人単位 ヘルパー利用 |
要件満たせば可能 |
要件満たせば可能 |
なし |
なし |
事業者数 (R3.9 国保連データ) |
9,134事業所 |
419事業所 |
1,300事業所 |
– |
利用者数 (R3.9国保連データ) |
129,252人 |
5,858人 |
15,402人 |
1,752箇所 |
障害支援区分とは?
障害支援区分とは厚生労働省令で定め「障害のある方が必要とする支援の度合いを総合的に表しています。知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で区分認定の傾向が異なります。
1から6まである障がい支援区分は、障がいの特性やその他の心身状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示す基準です。
大きい数字ほど必要な支援が多くなり、認定を受けていないときは支援が不要なケースを意味します。
利用者の状況や希望にあわせた適切な施設を選ぶために
障がい者グループホームは、利用者の重症度や目的に応じて、状況や希望に合った、ベストなタイプを選択する必要があるでしょう。
グループホーム選びで迷った場合は、地域の福祉事務所や障がい福祉に関する担当課に相談する方法もおすすめです。地域の状況をしっかり把握した専門家が、利用者の状況や希望にあわせて、最適なグループホームを紹介してくれます。
障がい者グループホームを選ぶ際のポイント
利用者の障がいの程度と必要な支援 |
重度か軽度か、どのような支援が必要か |
---|---|
利用者の将来の目標 |
自立を目指したいか、それとも終生的な支援を必要とするか |
費用 |
利用料金や、障害区分による費用の違い |
サービス内容 |
生活支援、地域活動の支援など、どのようなサービスが提供されているか |
それぞれの類型の利用者の状況
厚生労働省の調査結果によると、グループホームの種類によって、利用者の特徴に違いが見られます。
たとえば、日中支援型は、24時間体制で支援が必要な方が多く利用しており、外部サービス利用型は、比較的軽度の障がいのある方が多く利用しています。
介護サービス包括型は、最も一般的なタイプで、夜間の介護や生活支援が中心です。しかし、障害区分認定がない場合は、費用が高額になる可能性があります。
サテライト型は、利用期間が3年と定められており、将来的に一人暮らしを目指したい方に向いています。ただし、緊急時の対応が遅れる可能性がある点は留意が必要です。
判断に迷ったときの相談先としては、自治体の福祉事務所・障がい福祉に関する担当課の専門家がおすすめです。
<サービス類型別の利用者の状況>
- 介護サービス包括型には知的障がいのある方、日中サービス支援型には他類型より身体に障がいのある方、外部サービス利用型には精神に障がいのある方が多い
- 日中サービス支援型には支援区分4以上が多く、外部サービス利用型は支援区分なしが多い
介護サービス包括型グループホームとは
介護サービス包括型グループホームは、多様なニーズに対応する総合的な支援を提供するグループホームです。
入浴や食事の介助など、夜間の生活全般をサポートし、同時に、就労や日中活動といった社会参加を支援します。重度の障がいをお持ちの方でも、安心して暮らせるよう、様々なサービスが提供されているのです。
大きな特徴は、幅広い年齢層の、さまざまな障がいをお持ちの方に対応している点です。令和2年度の厚生労働省の調査でも、入居者は特定の年齢層に偏ることなく、多くの方が利用していることが示されています。
日中支援型グループホームとは
日中支援型グループホームは、重度の障がいや高齢といった理由から日中の活動が難しい方に対して、24時間体制で専門的な介護サービスを提供する施設です。入浴や食事の介助はもちろん、排泄や移動といった日常生活全般をサポートします。
特に、昼夜を通じて1人以上の職員を配置しているため、緊急時にも迅速に対応できる体制が整っている点に注目です。身体に障がいのある方が安心して暮らせるよう、きめ細やかな支援を提供しているのです。
また、定員1~5人の短期入所を併設している施設もあり、ご家族の事情などで一時的に自宅での生活が困難になった場合にも利用できます。
外部サービス利用型グループホームとは
外部サービス利用型グループホームは、介護業務を外部の事業者に委託している点が特徴です。そのため、緊急時の対応が難しく、常に支援が必要な方には不向きといった面もあります。利用者の年齢層は幅広く、精神に障がいのある方や支援区分のない方が多く利用しています。
サテライト型グループホームとは
サテライト型グループホームは、将来的な自立を目指し、グループホーム本体の居間や食堂で食事やレクリエーションに参加しながら、近くの民間アパートなどで一人暮らしに近い生活を送る施設です。
利用者は、単独生活が可能と認められた方が対象で、原則3年以内に一般の住宅へ移行する目標をもって生活します。
他のグループホームがシェアハウスのような共同生活であるのに対し、サテライト型は個室で生活するため、より自立した暮らしが叶えられます。グループホームの一部であるため、必要に応じて本体の世話人から支援も受けられるのです。
4種類の障がい者グループホームを検討する際の注意点
グループホームを検討する際には、実際に見てみたり、契約書の内容をある程度把握したりするのが大切です。悩んでしまうときには、自治体の担当窓口などに相談してみましょう。
見学の重要性
グループホームは、利用者と職員が共に生活を共にする場所です。入居を検討する上で、実際の施設を見て設備やサービス内容を直接確認する時間はとても大切です。
見学から、施設の雰囲気やスタッフとの相性などを事前に把握できます。また入居後に「イメージと違った」といったミスマッチやトラブルを、未然に防ぐためにも重要なのです。
グループホームによっては、2〜10日程度の体験入居を実施している施設もあります。体験入居に参加すれば、実際の生活をより具体的にイメージしやすいはず。
より自分に合った施設を選ぶために、できるだけ見学や事前体験を検討しましょう。
契約内容の確認
グループホームに入居する際、利用者にとって非常に重要な手続きは、事業者との間で結ぶ契約です。契約は双方の合意に基づいた約束であり、一度締結されると原則として簡単には変更や解除ができません。
契約書には、利用期間、費用、サービス内容、双方の権利義務などが詳細に記載されています。内容は、グループホームによって異なる部分もありますが、共通して盛り込まれている事項も数多くあります。
契約書の内容は、利用者がグループホームで生活を送る上で守らなければならないルールであり、法的な効力も持ちます。契約書の内容をしっかりと理解し、同意した上で契約を結びましょう。
<契約書に記載されている内容(例)>
- 契約期間はあるが、事前の申し出がないときは自動更新する。また、契約解除には30日前(または60日前)の申請が必要である
- 事業者は個別支援計画を作成し、利用者を支援する
- グループホームの利用料金と支払方法
- 事業者は個人情報を漏洩しない
- 利用者が事業者に損害を与えたときには、利用者が原状回復費用を負う
- 利用料金支払滞納・長期入院などがあったときは、契約解除(退所)になる
自治体への相談
グループホーム選びに悩んでしまうときには、居住している自治体障がい福祉課窓口や福祉事務所、指定一般相談支援事業所に相談しましょう。空いているグループホーム情報・適切なグループホームを紹介してくれます。
相談担当者は保健師などの有資格者の自治体職員、一定以上の実務経験を積み専門員研修を受講した相談支援専門員などです。
自治体独自の施策も…東京都独自の種類「滞在型」と「通過型」
東京都では、障がい者グループホームが「滞在型」と「通過型」の2つのタイプに分けられています。
滞在型は、利用期間に制限がなく、長期的な利用が可能です。
通過型は、原則3年以内の利用期間が設定されており、将来的に一人暮らしを目指せる利用者を対象としています。通過型では、専門の職員が配置され、退所後の生活もサポートします。
どちらのタイプを選ぶかは、利用者の障がいの種類や程度・年齢・将来の目標などによって異なります。たとえば、ある程度自立した生活を送ることが可能な方は、通過型を選ぶケースが多いでしょう。高齢で単独での生活が難しいと判断される場合は、滞在型を選ぶケースが多いようです。
選ぶ際のポイントは、「将来的に一人暮らしが可能かどうか」以外にも、利用できるサービス内容や費用なども考慮する必要があります。
「ここでくらしたい」
を創る
24時間スタッフ配置の
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ソーシャルインクルーは、全国で障がい者向けグループホームを展開しています。
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ソーシャルインクルーの特徴は、一人ひとりを尊重したケアを提供している点。それぞれの個性やニーズに合わせた支援を行い、自立した生活をサポートしているのです。
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グループホームへの入居を検討されている方、またはご家族様は、お気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが、丁寧にご相談に対応いたします。
お問い合わせはこちらまで0120-139-196
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